産業廃棄物とは?一般廃棄物とは?~産業廃棄物以外は一般廃棄物!~

目次
- 結論:廃棄物区分の出発点は「産業廃棄物に該当するかどうか」
- 廃棄物処理法が「産業廃棄物」を先に定義する背景
- 産業廃棄物の定義と判断の基本構造#link3
- 実務で混乱しやすい典型例とトラブル
- 廃棄物区分の考え方フロー
- 実務で押さえる理解ポイント
1.結論:廃棄物区分の出発点は「産業廃棄物に該当するかどうか」
廃棄物処理法において、廃棄物は「産業廃棄物」と「一般廃棄物」の二つに区分されます。
このうち、法律で具体的に列挙されているものが産業廃棄物です。
それ以外の廃棄物は全て一般廃棄物と整理されます。
したがって、実務ではまず「産業廃棄物に該当するか」を確認します。
該当しなければ、一般廃棄物として扱うことになります。
2.廃棄物処理法が「産業廃棄物」を先に定義する背景
Point!:産業廃棄物は環境負荷が高く、責任主体を明確にする必要があるためです。
廃棄物処理法は、生活環境の保全を目的とする法律です。
特に事業活動から発生する廃棄物は、量が多く性状も多様です。
不適正処理が起きた場合の影響も大きくなります。
このため法律では、
- 種類
- 発生原因
- 排出主体
を基準に、産業廃棄物を具体的に定義しています。
これにより、排出事業者責任を明確にします。
一方で、産業廃棄物に該当しない廃棄物は、市町村処理が原則の一般廃棄物として整理されます。
この構造が、「産業廃棄物以外は一般廃棄物」という実務上の基本原則につながります。
3.産業廃棄物の定義と判断の基本構造
Point!:種類と業種の組み合わせで判断します。
廃棄物の定義(基本)
まず、「廃棄物」は「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に定義されますが、そもそもの「廃棄物」の定義についてです。
「廃棄物」は、法律上や通知、判例で次のように定義されています。
①廃棄物処理法第2条(昭和 45 年法律第 137 号)
ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。
②「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の施行について」
(昭和 46 年 10 月 16 日環整第 43 号厚生省環境衛生局長通知)
ごみ、粗大ごみ、汚でい、廃油、ふん尿その他の汚物又はその排出実態等からみて客観的に不要物として把握することができるものであつて、気体状のもの及び放射性廃棄物を除く、固形状から液状に至るすべてのもの
③「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正について」
(昭和 52 年3月 26 日環計第 37 号厚生省環境衛生局水道環境部計画課長通知)
占有者が自ら利用し、又は他人に有償で売却することができないために不要になつた物をいい、これらに該当するか否かは、占有者の意思、その性状等を総合的に勘案すべきものであつて、排出された時点で客観的に廃棄物として観念できるものではないこと
④「おから事件」最高裁判例 (最二小決平成 11 年3月 10 日刑集 53 巻3号 339 頁)
自ら利用し又は他人に有償で譲渡することができないために事業者にとって不要になった物をいい、これに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び事業者の意思等を総合的に勘案して決するのが相当である
つまり、「廃棄物とは?」を簡単にまとめると
- 固体・液体である。
- 客観的に不要物として把握できる。
- 不要物に該当するか否かは、①その物の性状、②排出の状況、③通常の取扱い形態、④取引価値の有無及び⑤占有者の意思等を総合的に勘案して決する
と整理されます。
これは産業廃棄物・一般廃棄物に共通する前提です。
産業廃棄物とは
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じ、法令で定められた20種類の廃棄物です。
- 燃え殻
- 汚泥
- 廃油
- 廃酸
- 廃アルカリ
- 廃プラスチック類
- ゴムくず
- 金属くず
- ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず
- 鉱さい
- がれき類
- ばいじん
- 紙くず
- 木くず
- 繊維くず
- 動植物性残さ
- 動物系固形不要物
- 動物のふん尿
- 動物の死体
- 法施行令第2条第13号に規定する産業廃棄物
ただし、
①すべての業種で産廃になるもの
②特定の業種でのみ産廃になるもの」
が混在します。
この点が判断を難しくします。
一般廃棄物とは
一般廃棄物は、産業廃棄物に該当しないすべての廃棄物です。
家庭ごみだけではありません。
事業活動から出る場合もあります。
4.実務で混乱しやすい典型例とトラブル
Point!:判断ミスは委託契約や許可区分の違反につながります。
例① 建設現場の残材
建設現場から出る、
- 木くず
- コンクリートがら
は、原則として産業廃棄物です。
しかし、仮設事務所の生活ごみは一般廃棄物です。
現場では、「同じ現場だから一括処理できる」と誤解されがちです。
この誤認により、委託先の許可区分が合わない事例があります。
例② 事業所の廃プラスチック
廃プラスチック類は、業種を問わず産業廃棄物です。
一方、同じ事業所から出る紙くずは、業種によって扱いが変わります。
自治体審査では、排出実態と業種の整合性を確認します。
説明できない場合、是正指導の対象になります。
例③ 処理業者の受託ミス
処理業者側でも、
- 一般廃棄物として受託
- 実際は産業廃棄物
というケースがあります。
契約区分と許可内容が合わず、結果として不適正処理になります。
5.廃棄物区分の考え方フロー
Point!:フローで考えると整理しやすくなります。
判断の起点は、「産業廃棄物に該当するか」です。

6.まとめ:実務で押さえる理解ポイント
- 廃棄物は「産業廃棄物」と「一般廃棄物」の二区分
- 産業廃棄物は法令で列挙されたもの
- 産業廃棄物に該当しないものが一般廃棄物
- 判断ミスは委託・許可違反につながる
- 最新の法令・自治体運用確認が不可欠
本記事は廃棄物処理法等を分かりやすく説明するための一般的な解説であり、特定の事案への判断を示すものではありません。
実際の対応は自治体の運用や個別事情により異なるため、最新の法令や通知をご確認ください。


