産業廃棄物収集運搬業を営む場合に許可は必要なのか?

目次

  1. 結論:産業廃棄物収集運搬業を行うには、原則として許可が必要
  2. 産業廃棄物収集運搬業許可の基本
  3. 許可制が採られている理由
  4. 許可の種類と特別管理型産業廃棄物の位置づけ
  5. 許可権者と申請すべき自治体
  6. 積替え保管の有無と実務トラブル
  7. まとめ

1.結論:産業廃棄物収集運搬業を行うには、原則として許可が必要

産業廃棄物収集運搬業の許可は、運搬する廃棄物の種類や行為内容で区分されます。

また、許可を取得すべき自治体は、廃棄物の積込み場所と荷降し場所の両方となります。

ちなみに、積替え保管の有無は、許可の内容を大きく左右します。

2.産業廃棄物収集運搬業許可の基本

Point!!他人の産業廃棄物を運ぶ場合、許可が前提です。

産業廃棄物収集運搬業とは、排出された産業廃棄物を処分場などへ運搬する業務です。

ここでいう許可の対象となる産業廃棄物は、自分以外の他人が事業活動によって排出した廃棄物を指します。

自社で発生した廃棄物を自ら運ぶ場合、許可は不要です。

しかし、他人の廃棄物を運搬する場合は、処理責任を明確化する必要があるため許可が必要となります。

3.許可制が採られている理由

Point!!不適正処理を防止するための制度です。

産業廃棄物は、環境負荷が高いものも含まれることがあります。

また、運搬中の漏えいや不法投棄は重大な問題です。

そのため、一定の能力を持つ事業者のみが、収集運搬を行える仕組みが設けられました。

許可審査では主に次の点が確認され、実効性のある管理体制が求められます。

  • 運搬車両の構造と管理体制
  • 法令理解と業務経験
  • 欠格要件への非該当性

4. 許可の種類と特別管理型産業廃棄物の位置づけ

Point!!:廃棄物の性状で許可が分かれます。

産業廃棄物収集運搬業許可には、大きく二つの区分があります。

  • 産業廃棄物収集運搬業許可
  • 特別管理型産業廃棄物収集運搬業許可

特別管理産業廃棄物とは爆発性毒性などを有する廃棄物で、医療系廃棄物などが該当します。

特別管理型ではより厳格な管理体制が求められ、容器構造や教育体制も審査対象となります。

5.許可権者と申請すべき自治体

Point!!:関係する自治体すべてが許可権者。

産業廃棄物収集運搬業の許可権者は、都道府県知事または政令市長、中核市長などです。

重要なのは、取得すべき自治体の範囲、つまり、申請先となる自治体です。

原則として、次の自治体で許可が必要です。

  • 積込みを行う自治体
  • 荷卸しを行う自治体
  • 積替え保管を行う自治体

単に通過するだけの自治体では、許可は不要とされています。

実務上の注意点

積込み地と荷卸し地の整理不足により、許可不足が判明する事例があります。

事業計画段階での整理が不可欠です。

6.積替え保管の有無と実務トラブル

Point!!:積替え保管を行う場合には、審査対象項目が増える。

積替え保管とは、運搬途中で一時的に廃棄物を保管する行為です。

これを行う場合、許可の申請の内容に保管に関するものが追加され、審査対象となる項目が増えます。

①積替え保管〈なし〉

排出事業者 → 収集運搬 → 処分場

※積替え保管<なし>の場合、通常の審査。

②積替え保管〈あり〉

排出事業者 → 収集運搬→ 積替え保管施設 → 収集運搬 → 処分場

※積替え保管<あり>の場合、施設構造や保管基準が追加で審査

典型的な現場トラブル

駐車場で一時的に委託を受けた産業廃棄物を置いた場合、その行為が積替え保管に該当すると認識していなかった…といった事例もあります。

結果として、このような場合は、無許可で産業廃棄物収集運搬業を行ったと判断されてしまいます。

7.まとめ

産業廃棄物収集運搬業は、許可を前提とする事業です。

廃棄物の種類や行為内容により、必要な許可は細かく分かれます。

特に、許可権者の範囲積替え保管の有無は重要です。

つまり、事業計画に応じた整理が、適正処理への第一歩となります。


本記事は廃棄物処理法等を分かりやすく説明するための一般的な解説であり、特定の事案への判断を示すものではありません。

実際の対応は自治体の運用や個別事情により異なるため、最新の法令や通知をご確認ください。

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